株オタク「にしけい」の株式投資日記

今週のニュース(2017/11/12〜2017/11/25)

山一證券破綻から20年 これから投資を始める僕たちへのメッセージ


山一證券の破綻から20年が経ちました。僕は現在22歳なので、山一證券が破綻した1997年時点は2歳。当時のことは全く記憶にありませんが、ニュースなどで山一證券の名前や破綻したことなどは耳にしたことがあります。

山一證券の破綻と、社員の学びについて言及する前に、山一證券がどのような証券会社だったかまとめておきましょう。当時、山一證券は、野村證券、大和証券、日興証券(現:SMBC日興証券)と並ぶ4大証券会社の一つでした。証券会社では、個人のお客さんを扱う個人営業のほかに企業を相手にする法人営業も取り扱っていました。それぞれ力の入れどころが違っていますが、山一證券は法人営業に強く、「法人の山一」との異名を持つほど。バブル期は企業の羽振りも良かったため、山一の業績は右肩上がりに伸びていました。

では、なぜそのような勢いのある証券会社が破綻してしまったのでしょうか。理由として、以下のものが挙げられます。

  • 法人営業へ注力したこと
  • 日銀特融の経験があること
  • 法令違反
  • 一部の社員による專斷
  • 銀行出身者の排除

一つ目は、法人営業です。企業による証券投資は、業績に左右されることを忘れてはなりません。景気が良く売上がしっかりと出ているときであれば証券投資にお金を積極的に回してくれますが、反対に景気が悪い時は業績もよくないため金融商品に投資してくれなくなります。すると、当然ながら証券会社の売上も減ってしまうのです。

また、法人を相手にしていると、万が一損失が発生した場合、「あんたにお金を預けてマイナスになっちゃったんだから、その分お金よこせよ!」と損失補填を求められることがあるのだそうです。そのため、法人顧客を多く抱える山一證券は、有価証券による損失が発生した場合、各企業に対してお金を補填しなければならなかったのです。これが、山一證券の財務を圧迫することになってしまいました。

二つ目は、日銀特融の経験があることです。日銀特融とは、文字通り「日本銀行による特別融資」です。資金不足に陥った証券会社や銀行に対し、日本銀行が無担保・無制限でお金を貸してくれるのです。山一證券も1964年〜1965年に発生した証券不況に巻き込まれ、日銀特融による企業再編の対象となりました。その結果、「あと少し頑張れば自力で再生できるだけの能力を山一證券は持っている」という風潮が山一社内に流れ、バブル崩壊時の処理を遅らせることになってしまったのです。その結果、山一證券は破綻しました。

三つ目は、法令違反です。証券会社による運用利回りの保証、損失補填、一任勘定は、現在法律で禁止されています。しかし、1991年までは法律による制限がなく、法律制定後も裏側でこれらの違法行為がおこなわれていました。山一證券も例外でなく、運用利回りの保証や損失補填をおこない、その債務を簿外債務として山一證券の子会社に移したのです。これはいわゆる「粉飾決算」と呼ばれるもので、山一證券が破綻した際に公になり、日銀特融による企業再生がおこなわれず、自主廃業に追い込まれました。

四つ目は、一部の社員による專斷です。專斷とは勝手に判断することで、山一證券の社内では東京大学出身社員を中心として、コーポレートガバナンスを無視した重大事項の決定などを勝手に進めていました。その結果、山一證券のトップが知らないところで簿外債務が発生し、破綻の引き金となりました。

五つ目は、銀行出身者の排除です。山一證券では、証券不況の際に銀行出身者がトップを務めていたことから、銀行マンが原因を作ったと考える風潮が流れていました。そのため、銀行マンをよく思わない社員が多く、銀行マンを排除する動きが強まっていました。その結果、破綻時に銀行から融資を受けることができず、自主廃業につながったのです。

かなり複雑な要因が絡み合って破綻〜自主廃業に追い込まれたことがわかりますね。山一證券には、グループ全体で1万人ほどの社員がおり、自主廃業に際してその多数はMerrill Lynch日本法人(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に移籍しましたが、一部では独立して投信会社などを立ち上げました。今回の日経新聞では、独立した元山一社員のインタビューが載っています。

その中で印象深かった発言をご紹介します。

  • 「経営者には決断力とビジョンが必要」
  • 「顧客に必要とされなければ生き残れない」
  • 「投資の指南役である運用・証券業界がいかに誠実に振る舞えるか」
  • 「自分たちが取れるリスクを明確にし、その範囲でリスクを取るということを徹底した」

というものです。

特に、最後の「自分たちが取れるリスクを明確にし、その範囲でリスクを取るということを徹底した」という言葉は、投資家やこれから投資を始めようとしている人にとって、重要なことを教えてくれます。僕たちはリスクについてわかっているようでわかっていないのではないか、ということです。

一般的なリスクとリターンの図は上の通りです(もしかしたら縦軸と横軸が逆かも…)。たとえば50のリスクを取ったとすると、相当分のリターンとして50が得られることを意味しています。また、10のリスクであればリターンは10と、50のリスクを取った時よりもリターンは小さくなることがわかります。

しかし、投資においてリスクとは「リターンのブレ幅」のことを意味します。下の図を見てください。

先ほどの図に横線が加わっていますね。これは、リターンのブレ幅を意味します。たとえば、50のリスクを取った時。この場合、取ったリスクにふさわしいリターンは50ですが、プラス方向にもマイナス方向にもリターンが20だけ動くことになります。つまり、50のリスクを取った時に、30のリターンしかもらえないこともあれば、80のリターンが手に入ることがあるというわけです。

そして、10のリスクを取った時。取ったリスクにふさわしいリターンは10ですが、プラス方向にもマイナス方向にも4だけリターンが変動します。つまり、10のリスクを取った時に、6のリターンしかもらえないこともあれば、16のリターンが手に入ることもあるのです。

このように、リスクとリターンの関係は必ずしも比例ではありません。「高いリスクを取ったんだから、当然高いリターンがもらえる」と思っていまいがちですし、僕自身も投資をしているときは、こういった考えに陥ってしまいがちです。しかし、高いリスクを取れば高いリターンがもらえるのであれば、それは高いリスクを取っているとは言えません。みんな高いリスクを取って高いリターンを手にいれることになるからです。

投資する上で大切なのは、リスクを正しく理解すること。自分が取れるリスクはどれくらいか、今投資している(または投資しようとしている)金融商品のリスクはどれくらいかを知ることで、だいたいどれくらいのリターンが得られ、ブレ幅はどのくらいあるのかを把握することができます。一番わかりやすいのは、「100万円投資したとして、いくらなら失っても耐えられるか」を考えることだと思います。

10万円の人もいれば、1円も失いたくない人もいます。10万円の人であれば株式投資がぴったりかもしれませんし、1円も失いたくなければ銀行預金がぴったりかもしれません。投資をする上で、リターンから逆算して、自分が取ることができるリスクの大きさを知りましょう。「自分たちが取れるリスクを明確にし、その範囲でリスクを取るということを徹底する」ことで、山一證券のように破綻してしまうことを避けることができ、楽しい投資ライフを送れるのではないでしょうか。

参考

 

先週・今週の相場

先週・今週の相場は、以前の盛り上がりに比べると「大人しめの」相場だったと思います。値上がりした銘柄と値下がりした銘柄の比率を見る騰落レシオをチェックするとよくわかりますが、2017/11/13〜2017/11/24の9営業日のうち、騰落レシオが100%を割った(値上がりした銘柄数<値下がりした銘柄数)日は6日でした。

原因は、日経平均株価が高騰したことの反動や、個別銘柄の決算発表を受けた利益確定売りによるものと思われます。しかし、今週後半に入り、騰落レシオは100%を超えてきました。24日には174%となり、日本市場は買い優勢となってきているようです。

日経平均株価のPERも相変わらず15倍付近を維持しており、バブル期の60倍と比べてまだまだ割安感が残っていることもわかります。来週以降は、利益確定した投資家が再び市場に戻ってくることも考えられますね。日経平均株価3万円も夢ではない…のでしょうか?

 

西尾ファンドの運用状況

日付 含み損益(設定来)(%)
2017/11/13 +15.82
2017/11/14 +14.07
2017/11/15 +12.34
2017/11/16 (未計測)
2017/11/17 (未計測)
2017/11/20 (未計測)
2017/11/21 +19.80
2017/11/22 +19.60
2017/11/24 +20.40

日経平均株価の動きと連動している気がしますね…。先週は低調な値動きとなりましたが、今週に入ってからは高い水準で推移しています。
決算発表を受けて下がったアニコムHDも戻してきていますし、決算直後の下落で買い増しした安定株主が多かったのではと思います。

日経平均株価が爆上げする様子をみて気持ち悪さを抱いていましたが、平均PERが15倍周辺のまま推移していることを受けて、「これはどうやらバブルではなさそうだ」と思えるようになってきました。
海外投資家も相変わらず日本株に注目しているようですし、日本国内の長期投資家も重い腰を上げて買い注文を出し始めたようですので、割安株やグロース株を中心に良い銘柄があれば投資していきたいなと思っています。

 

今週気になったニュース

経済・金融関連

 

個別企業関連

その他

 

編集後記

今回から編集後記も書いてみることにしました。

今回の記事は、いつもと違って「2週分」の内容をぎゅっと詰め込んでいます。
なぜ2週分をまとめているかというと、先週末は社員旅行でシンガポールに行っていたからです。
僕にとっては「初海外、初シンガポール、初マリーナベイサンズ、初カジノ、初セグウェイ…」など、初めてのことが盛りだくさんの旅行でした。
大学4年間分たっぷり遊んだので、とてもリフレッシュできました。
これからもお仕事がんばります!

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